法律相談Q&A

お客様から寄せられたご質問

入居者が部屋で亡くなってしまった場合の説明義務について (1)

南青山法律事務所からのご回答・ご提案

いわゆる「異常死」と評価される事態が発生した場合、その事実を次の入居者に説明しなければならないとされています。

<解説>

「入居者が部屋の中で亡くなってしまった。」という相談が
最近当事務所によく寄せられます。

とりわけ、「入居者が自殺していた。」というケースが
多いように感じています。

家賃滞納の件数も世間一般的に増えているようですし、
長引く不況のなかで
生活に困窮している方が少なくないのかもしれません。


こういった「事故」はいつどこで発生するかわかりません。
賃貸物件を所有している限り、
どの大家さんにも起こりうる問題です。


そこで、今回は、
「居室内で入居者がお亡くなりになってしまった」場合の取り扱い
について考えてみたいと思います。


1 次の入居希望者に「説明」する必要があるか

こういった場合、大家さんが一番気にされるのは、

その事実を次の入居希望者に説明しなければならないのか

という点だと思います。

というのも、もしそのことを説明しなければならないとすると、
そう簡単に入居してもらえなくなることが明らかだからです。


この点、入居者がお亡くなりになった原因が、
「一般的な病死」や「老衰」といった自然死で、
死後数日内に発見された、
というような場合であれば、
特に説明しなくてもよいとされる場合が多いと考えます。


これに対し、入居者がお亡くなりになった原因が

○ 自殺
○ 他殺
○ 焼死等の事故死
○ (病死や自然死でも)死後数ヶ月経過した後に腐敗した状態で発見された

といった場合などは、
次の入居希望者に説明する必要があると考えられています。


なぜなら、こういったいわゆる【異常死】と評価される事態が
発生した場合、
「この物件は住み心地がよくない」
「この物件には住みたくない」
と普通一般の人なら思うであろうと考えられているからです。
(嫌悪すべき事情が存在すると判断されます。)。


とすれば、その事実をきちんと事前に知らされることが、
その物件に入居するかどうかを判断する上で
入居者にとって極めて重要なポイントになります。


そこで、貸主側としては、
きちんとその旨を契約前に入居者に説明しなければならない
とされています。


そして、もしその説明を貸主側が怠っていた場合は、
入居者は賃貸借契約の【解除】や【損害賠償】を
貸主に行うことができる、ということになります。
(民法570条の瑕疵担保責任の追及です)
 
 
2. 南青山法律事務所からのご回答・ご提案

以上から、改めて結論を申し上げますと、

いわゆる「異常死」と評価される事態が発生した場合、その事実を次の入居者に説明しなければならない。

ということになります。
 
 
 
このQ&Aが少しでも皆さんのお役に立てば嬉しく思います。
 
その他のQ&Aについてはこちらをご覧下さい。) 



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上記回答はあくまで一般的なケースについて述べるものですので、個別具体的なケースでの結論・成果をお約束するものではありません。
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