法律相談Q&A

お客様から寄せられたご質問

入居審査の際の 【5つのチェックポイント】 とは?

南青山法律事務所からのご回答・ご提案

①職業、②転居理由、③転居までの期間、④入居申込者の態度・姿勢、⑤連帯保証人、といったポイントに着目してチェックするようにしてください。

<解説>

ご存じの方も多いと思いますが、
最近、家賃滞納を前提として入居する悪質入居者が少なからず存在します。

(ここでいう悪質入居者とは、経済的に苦境に陥りやむなく家賃が支払えなく
なった人ではありません。最初から支払う意志がない人を指しています。)

なかには、フリーレント物件を渡り歩いている人もいるそうです。

約束を守る、という基本的な考え方を共有できないのは、とても残念なことです。


そういった悪質な方の入居を水際で防ぐためには、
やはり入居審査がとても重要になります。

そこで、私たちが現時点で知っている【入居審査のポイント】について
ご説明していきたいと思います。


入居審査のポイント (1)-職業

まず、一つ目のポイントは、申込者の【職業】です。

・どのような職業に就いているのか(職種)
・正社員か、契約社員か、派遣社員か(雇用形態)
・どれくらいの期間同じ場所で働いているか(勤続年数)
・給料はいくらぐらいか(収入)

は必ず確認してください。

収入については、源泉徴収票や給与明細書といった裏付け資料の提出を
求めましょう。

さらに(入居希望者の了解のもと)就業先に確認の電話をするとよいと思います。
その際は、住居手当等の有無についても確認してみてください。
 
 
入居審査のポイント (2)-転居理由
 
次に、二つ目のポイントして、【転居理由】が挙げられます。

当然ですが、引っ越しをするには諸々のコストがかかります。
引越代金のみならず、敷金・礼金・仲介手数料を合わせれば、
簡単な引っ越しでも10万円はくだらないと思います。
そこまでのコストをかけて引っ越しをするからには、
それ相応の理由がなければなりません。

そうであるにもかかわらず、転居理由の記載が「特になし」など不明瞭な場合は
あやしいと言えます。
以前の住まいで家賃滞納といった賃貸トラブルを起こしているおそれがあります。

これは、多くの管理会社や弁護士がとても重視するポイントです。

そこで、入居申込書には必ず「転居理由」を記載する欄を設けるとともに、
必ずこの転居理由は注意してチェックするようにしてください。
 

入居審査のポイント (3)-転居までの期間

三つ目のポイントとして、【いま住んでいる場所に住んでいる期間】が挙げられます。

この点は、転居理由とセットに考えるとよいのですが、たとえば、
「2年住んでいるが、更新を期に引っ越したい。」
というのであれば、納得がいきますよね。

これに対し、
「半年しか住んでいない。転居理由は特になし。」
というのだと、ちょっと合点がいかないです。

特に、北海道などでよく聞く話ですが、
フリーレント物件を渡り歩いている入居者が昨今は少なからずいるそうです。
そういう方々は、フリーレント期間の数ヶ月ごとに転居しているので、
「いまお住まいの物件には、これまでどのくらいの期間お住まいでしたか?」
という質問は効果的だと思います。

そこまで悪質な場合でなくとも、
一年以内の転居というのはよほどの理由がないとしないはずですので、
「どのくらいの期間お住まいでしたか?」
という質問を皮切りに、どうして転居されるのかいろいろと話を聞いてみると
よいと思います。

(転居理由等を確認することは、客付けの観点からも有益だと思います)


入居審査のポイント (4)-入居申込者の態度・姿勢
 
これまでご説明してきたポイントに加えて、
私たちが重要だと考えるポイントは【入居申込者の態度・姿勢】です。

たとえば、申込に際して、住民票や源泉徴収票といった必要書類を
すぐに提出しない人がいます。
こういう方々は、きちっとしていない、いいかげんな傾向が見て取れますので、
家賃滞納に至るおそれが一般的に高いと思われます。

また、物件案内時に、常識的な範囲を超えて、
いろいろと物件についてクレームをつける人。

こういう方々も、入居後に騒音等を原因として周囲とトラブルを引き起こす
可能性があります。

これは、言語化することが大変難しいポイントですが、
経験豊富な担当者であればピンとくる方がほとんどではないでしょうか。

賃貸管理の世界で一番大変なのは、
【トラブルが多いが、家賃はきちんと払っている人】です。
なぜなら、「トラブルメイカーである」というだけではそう簡単に契約を解除する
ことはできないからです。

そうなると、どうなるか。

嫌気を指した【質の良い入居者】がどんどん退去していき、
トラブルメイカーだけが残るということにもなりかねません。

そこで、職業や転居理由といった点だけでなく、
【入居申込者の態度・姿勢】を見極めることも
とても重要なポイントになると考えます。
 
 
入居審査のポイント (5)-連帯保証人
 
入居審査における最後のポイントは、【連帯保証人】です。

連帯保証人というのは、賃貸借契約上とても重要な役割を果たします。
滞納家賃の立て替え払いはもちろんそうですが、それだけではありません。


まず、連帯保証人の存在自体が、家賃滞納の抑止力になります。

次に、連帯保証人はトラブル解決を手助けしてくれる場合があります。
家賃滞納が発生していれば、入居者に連絡をして、
滞納家賃をきちんと支払うように説得してくれます。
入居者が近隣トラブルを起こした場合も、
連帯保証人に道理をさとしてもらうこともよくあります。

連帯保証人がいれば、
賃貸トラブルは初期の段階で解決することが多いと思います。
連帯保証人の存在というのは絶対に必要だと思います。


最近は、空室を埋めるため【連帯保証人なし】の契約もよく見られます。
客付け上「連帯保証人を用意することがどうしても難しい」というのであれば、
最低限【身元引受人】【緊急連絡先】はつけるようにしてください。

というのも、最近は入居者が行方不明になってしまうなど、
【入居者と連絡が取れなくなるケース】が増えています。
また、行方不明にならないまでも
入居者となかなか連絡が取れないケースはたくさんあります。

この場合にもし身元引受人すらいなければ、
入居者と連絡を取ることができなくなります。
その場合は、本当に手間がかかります。

そこで、契約の際は必ず連帯保証人。
最低でも、身元引受人や緊急連絡先を確保するようにしてください。

 
このQ&Aが少しでも皆さんのお役に立てば嬉しく思います。
 
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上記回答はあくまで一般的なケースについて述べるものですので、個別具体的なケースでの結論・成果をお約束するものではありません。
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